【グルメレポート】帯広といえば、インデアンカレーというので食べてきた(永田優介)

こんにちは、ライターのナッツです。


168,000。


これはとある街の人口の数なのですが、その街には16万8千人/16万8千人がおそらく認知しているカレー屋があるそうで。しかもそのカレー屋は、その街の人以外にはほとんど知られていないという。まさに秘境カレー。

 

そんな謎につつまれたカレー屋があるという情報が耳に入ってしまった以上、「この目と舌で確かめなくては!」と思うのがライターの性。ということで、実際に来てみました。

 

華麗なるカレーエンターテイメントを提供する『インデアン』 へ

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とある街で異常な人気を博すカレー屋、それがこちらの『インデアン』。

この市内だけで7店舗、近隣のエリアを含めて12店舗も展開している、地元民なら知らない人はいないカレー屋である。

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今回訪れたのはインデアン まちなか店。

店内はカウンターとテーブル席があり、壁には映画のポスターが貼られている。開店してすぐに訪れたが、すでにお客さんがいらしてた。 

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ルーは、「インデアンルー」「ベーシックルー」「野菜ルー」の3種類あり、そこからトッピングに応じて「ハンバーグインデアンルー」や、「エビベーシックルー」などが選べる。

 

気づいてしまったのだが、「インデアンルー」に「ハンバーグ」をトッピングすると、615円。しかし、はじめから「ハンバーグインデアンルー」を頼むと604円となっている。

 

まあ、いいんだ。細かいことは。
今回は「インデアンルー」の「カツ」トッピングを注文した。

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 つくってくれているのは、まちなか店の店長をつとめる前谷さん。実はインデアンカレーでは調理工程がすごいらしく、地元民がインデアンカレーを愛する理由の1つでもあるという。

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目の前に置かれたルーが、めちゃくちゃ美味しそう。 

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秘伝のスパイスだろうか。

目にも止まらなぬ速さで、スパイスをカレー鍋にふりかける前谷店長。

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真剣な表情で、いまこの調理場で起きている出来事を把握する前谷店長。

1分1秒を争う、それがカレー作りの現場だ。

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カレーをよそう前谷店長。

衝撃の出来事が起きたのは、次の瞬間だった。

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サクサクサクサクッ!!!

  

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いや、擬音語としては「トントントントンッ!!!」だろうか。

そんなことはどうでもいい。とにかく前谷店長の包丁さばきが、もはや漫画。

 

まばたきをしている暇などない。

目の前では、瞬く間にカツが切り刻まれていた。

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シュゥーーーッ!!!

 

いや、「……ッスァッ!!!」だろうか。

とにかく、切ったカツをこれまた目にも止まらなぬ速さでご飯の上に乗せる前谷店長。

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仕上げに、カレールー。

前谷店長の右腕かのように、おたまがルーをカツの上に運ぶ。

 

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そして、膝をうまく使い、体全体でカレールーをお皿に流し込む前谷店長。

これはもう、カレーエンターテイメント。華麗なるカレーづくり。 ブラボー、前谷店長!

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「僕はインデアンに入社してもう20年以上経ちますけど、やっぱり包丁さばきは練習しましたね。お店にくる子どもたちが前のめりに見てくれるんですよ。やっぱりカッコいいところ見せたいじゃないですか」 

 

前谷店長、イケメン。カレーエンターテイナー。

ということで、カレーが完成しました。

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出来上がった「インデアンルー」「カツ」トッピングのカレーがこちら。

 

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見た目は、まあいたって普通のカレーのようにも見える。

いざ実食。 

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これは……!

 

なんて、優しい、まろやかな味なのだろう。

しかし、強烈なテイストではないのだけども、何杯でもおかわりがしたくなる、そしておかわりをしても食べきることができる、飽きのこない優しく深みのある味。

 

そして食欲を増進させるのが、ホットオイル。

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「カレーの味をこわさない辛さ」ということで全体にかけてみたが、最高。

口に含んだカレーを飲み込む前に、次のカレーを準備してしまう。

 

また、インデアンカレーは薬味が特徴的である。

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まずは、紅しょうが。こちらはまあ、一般的だろう。

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しそ、大根、きゅうりの薬味。

これは珍しい。カレー人生ではじめて見る薬味。 

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そして、ガリ(生姜の甘酢漬け)。

まるで寿司。

 

これらをすべて乗せてみる。

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ちょい乗せ。 

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しそ、大根、きゅうりの薬味ゾーン。

もっとかけてもよかった。野菜のポリポリとした食感とカレーが絶妙に合う。 

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続いて、ガリとカレー。

こちらもまた美味。ガリの酸味でカレーのまろやかさが引き立つ、引き立つ。 

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所要時間、10分程度だろうか。

いや、もっと早かったかもしれない。速攻で食べ終わってしまった。

 

これで680円。

こんなにも深みのある、手の込んだカレーにもかかわらずだ。正直、1杯2,000円とかするような、高級ホテルのカレーよりもうまい。

 

では、このインデアンカレーはどこにあるのか。

 

 

「いただきま〜す!」

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偶然居合わせた、このインデアンカレーがある街出身のライター佐々木ののか(@sasakinonoka)より解説してもらった。

 

ライター佐々木ののかにとってインデアンカレーは「おふくろの味」

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「インデアンカレーは、わたしの出身地である北海道の帯広にあるんですよ!」

 

そう、僕はこのカレーを食べるためだけに、北海道の帯広までやってきた。羽田空港からとかち帯広空港までAIRDOで約1時間半。そして空港から数十分の計2時間で、帯広市内にあるインデアンカレーまでたどり着くことができる。

さきほど、1杯2,000円の高級カレーと比較してしまったが、この1杯のカレーにどうやら僕は数万円近くかけてしまっているようだ。

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「もう帯広市民にとっては、ソウルフードですよね。子どもの頃はお母さんがPTAの行事とかで家にいないときとか、インデアンカレーが鍋に入って家にありましたもん。もはや、インデアンカレーがおふくろの味ですよね!」

 

お店のカレーが、鍋に入っているだと?!

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「みんな、お店に鍋持ってくるんですよ。東京の人からしたら不思議な光景かもしれませんけどね!」

 

なんと。

インデアンでは、自宅の鍋に入れてカレールーを持ち帰れるという。どんだけ帯広市民はインデアンが好きなんだ。しかし、それだけ人気なのであれば、なぜ全国展開しないのか?

 

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「たしかに、なんでなんでしょうね? わたしもよくわからないですね。せっかくだから、インデアンの社長にインタビューしてみます? 私のお母さんが仲いいみたいで、呼んでもらいました!」

 

 佐々木ののか母、すごいな。

ということで、急遽インデアンの社長にお話を伺いました。

 

 

「安くても心が温まるお店」を目指して。インデアン 藤森社長が語る帯広愛

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『インデアン』を運営する株式会社藤森商会 藤森社長

 

―― まずは社長のおすすめのトッピングを教えてください。

エビカツかな。わたし、エビ好きなんですよ。だけどエビだけだとボリューム的に足りないから、カツも入れたい。だからエビカツが好きでね。

でもカロリーオーバーになっちゃうから、最近は控えているけどね(笑)。

 

―― スパイスの調合は社長しか知らないという噂を小耳に挟んだのですが、本当ですか?

そうだね、スパイスの調合について知っているのはわたしのみだね。

 

―― 年間で何食くらい、インデアンのカレーは食べられているのでしょうか?

年間で約250万食だね。本当に帯広市民の皆さまには感謝しかないよ。

 

―― すごい。でもそれだけ人気なのにもかかわらず、なぜ全国進出はしないんですか?

帯広市民の皆さまから支えられて、いまのインデアンがある。そして、これからも帯広市民の方に寄り添ったカレー屋でいることがインデアンなんですよね。だから、全国進出はしない。

値段も1日に2回食べられる価格帯というのを大切にしているし、味付けも1日に2回食べられる味付けを意識している。おふくろの味よりも、おふくろの味を目指しているし、だけど家庭ではちょっとつくれないカレー。それが帯広市民の皆さまに届けたいインデアンのカレーなんだよね。

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―― 本当に帯広のソウルフードなんですね。

いやいや、わたしどもはそう思ってはいないんですけどね。でも、そうやって言っていただけるのは、本当に感謝。感謝しかない。

 

―― あとインデアンの特徴といえば、お店の外観がとても派手ですよね。お店が寺院みたいになっていたり、天井がすごい高いのはなにか意味があるんですか?

「安くても、心が温まるお店」というのを大切にしたいなと思っていて。なので、正直こういった内装費などには相当お金かけちゃっているんだけどね(笑)。 

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―― たしかに、高級ホテルのカレーよりも満足感あるカレーでした。

ホントかい。それはよかった、よかった。

 

―― これまでに芸能人の方が来たりとかってあります?

実はね、結構な数の芸能人に来ていただいているんだよね。名前は出せないけど、タレントの◯◯さんとか、歌手の△△さんとかね。

あとは、地元のビジネスマンの方々も出張で本州などから来られる方を連れてきてくださったりして。本当にありがたいよ。

 

―― 最後に、読者にメッセージをいただいてもいいですか?

これからも帯広市民の皆さまに愛されるカレー屋を目指して、がんばっていきたいね。そして、帯広以外にお住まいの方、この辺り一体は "十勝晴れ" って言って天気もとてもいいし、美味しい食材もたくさん。わたしたちのインデアンカレーも、なるべく十勝帯広や北海道の食材を使っています。

ぜひ帯広にいらした際には、ぜひインデアンカレーを召し上がっていってください。

 

せっかくなので、インデアンの魅力を帯広市民にも聞いてみた

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佐々木:ナッツさん、インデアンカレーどうでした?

ナッツ:美味しかったですね。

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佐々木:でしょ、でしょ!

ナッツ:でも、なぜ帯広市民はそんなにインデアンが好きなのかまだわからないんですよね。

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佐々木:帯広の人たちはみんな優しいので、ちょっと聞いて回りましょうか!

 

子供ふたり連れのママの場合

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「子どもたちも好きなので、月に2〜3回は食べにいきますね!」 

 

月に2〜3回は多いな。

 

女子高生の場合  

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「お母さんがたまに鍋で買って帰りますよ」

 

出た! 鍋持ち帰り組!

本当に鍋で持ち帰りするんだなぁ。

 

お仕事中の女性の場合 

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「息子がひとり暮らしをはじめる前までは、よく鍋で持ち帰りしてましたね。息子も "今日のカレーうまいじゃん" とか言って実ははインデアンカレーだったりしてね(笑)。いまでも仕送りで冷凍して送ってあげたりもしてます」 

 

佐々木ののか的には、帯広出身の人間が親から仕送りで送ってほしいものランキング1位はインデアンのカレーだそう。そんなに帯広市民の心を掴んでいるとは。

 

帯広の屋台通り「北の屋台」のお姉さんの場合

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「わたしたち帯広市民にとって、インデアンってもうカレーじゃないんですよね。カレー食べる?じゃなくて、インデアン食べる?みたいな。わかります? カレー食べたい!じゃなくて、インデアン食べたい!ってなるんですよ(笑)」

 

そうか、インデアンはもはや "インデアン" なのか。カレーではなく、インデアンなのだ。インデアンという新しい食のジャンルが、ここ帯広には存在していたのだ。

帯広市民にとってインデアンの地位と、お姉さんの笑顔が素敵だということがわかりました。ありがとうございます。 

 

おわりに:すでにインデアンカレーを食べたくなってます。

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ということで、最後は帯広にある飲み屋通り「北の屋台」へ行ってきたのですが、すでにインデアンカレー食べたくなってます。社長のおっしゃっていたとおり、1日2回は余裕で食べられそう。

 

みなさんも帯広へお越しの際は、ぜひインデアンカレーを召し上がってみてください。ここでしか食べられないこの味を、ぜひ体感していただければなと思います。

 

……そして、佐々木ののかは今回なぜ帯広にいたのだろう。

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「スパイス・ガールみたいな?」

 

よくわからないが、帯広の実家に帰省中だった佐々木ののか。

わざわざカレーっぽい格好までして来てくれて、ありがとう。

 

帯広の魅力は、さえりさんも記事にしているので、ぜひご覧ください。

また、インデアンの店舗情報はこちらから。

公式HP:http://www.fujimori-kk.co.jp/indian/

 

以上、ナッツがお届けいたしました。
それでは、また!

書いた人:永田優介(ナッツ)

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1987年生まれ。北海道出身・東京在住。ライター・フォトグラファーを名乗る無職。趣味は映画館巡り。毎日精一杯生きていこうと思います。頑張ります。

Twitter:@nuts612