Yorimichi Airdo旅のよりみちをお手伝い

地元の人間しか知らない北海道釧路のZ級グルメがうまい

Yorimichi AIRDOをご覧のみなさまこんにちは。

ブログ『kansou』を運営しているかんそうと申します。

突然ですが「釧路グルメ」と聞いてどんなものをイメージしますか? 海鮮? スパカツ? ザンギ? フフフ……そうですか……アナタはまだ本当の釧路を知らないんですね……。

そう、ここは「釧路」、読んで字の如く「金の川の路」。前述したグルメを「上流」、表の金のグルメとするならば、いわば「下流」に佇む裏の銀のグルメもたしかに存在します。

私は現在札幌に住んでいるのですが、生まれも育ちも釧路、20年間釧路の空気を吸い続けたKr.Children(クシロチルドレン)です。

北海道、ひいては釧路には前述したとおり多種多様な絶品グルメがあり、観光よりも「食を目的」に訪れるという人がほとんど。そしてそれを当たり前のように食べている地元民の舌は肥えに肥えきっています。ということは、裏を返せば地元民が普段食べているものこそが一番おいしい、そう言えるのではないでしょうか。

今回はそんなA級グルメに負けるとも劣らない「Z級グルメ」を紹介します。

新型コロナウィルスの問題が終息した際は、ぜひZ級グルメを食べに釧路を訪れていただきたいと願っています。

最強の老夫婦が営む中華料理屋・北京亭

f:id:blog-media:20200331115832j:plain

釧路には長く経営が続いている「老舗」と呼ばれる飲食店が何店舗も存在します。子供の頃から親しんだ味が今も変わらずそこにあるという喜びはなにものにも代えがたいものです。

そんな老舗の中でも自信を持って「最強」だと言えるのが中華料理屋・北京亭。正直いつから存在するのかすら分からないほど昔からある店で、いつも地元のタクシー運転手や近くで働くサラリーマンで賑わっています。

ラーメンやギョーザをはじめ、どの料理もシンプルでどこか懐かしい味わい。

f:id:blog-media:20200331115934j:plain

そして驚くべきはその値段。ほとんどが400円~600円という令和2年において「ここだけ時間が止まっているのか?」と錯覚するほどの安さ。

f:id:blog-media:20200331120003j:plain

「ワイが中華で一旗揚げてやりまっせ」というようなゴリゴリの商人では決してできない、喜びも悲しみも、人生の全てを経験した2人だからこそできる客のことを一番に考えられた価格設定とその味に、うまい、まずい関係なく涙が出ます。

なにかつらいことがあるといつも中華飯店のチャーハンとギョーザを食べていた気がする……。受験に失敗したとき、友達にハブられたとき、女子にフラれたとき、親とケンカしたとき、どんなことがあっても変わらない味と値段で受け入れてくれる……。

ありがとう……お父ちゃん……お母ちゃん……。

俺の顔、最後まで覚えてくれませんでしたけど。

北京亭
住所:北海道釧路市鳥取大通8-2-18
電話:0154-51-5999
営業時間:9:00~21:00
tabelog.com

Z超えてA級・竹老園(ちくろうえん)東家総本店

f:id:blog-media:20200331120546j:plain

釧路の人間にとって「蕎麦」は切っても切れない関係にあります。特に「東家」は釧路市民なら誰もが食べたことのある名店で、ここ竹老園はその総本家。過去にはミシュランガイド北海道にも掲載され、もはや、Z級を超えた真のA級グルメがここにはあります。

温かい蕎麦、冷たい蕎麦、その全てが異次元のおいしさなのですが、なかでも最もオススメは1954年( 昭和29年 )に当時の天皇、皇后両陛下(現、上皇上皇后両陛下)が味わったとされる伝説の蕎麦『蘭切り蕎麦』。

f:id:blog-media:20200331120635j:plain

鶏卵をつなぎにしたここでしか食べることのできない一品で豊かな風味とその喉越しの良さはもはや蕎麦をすするというより「蕎麦にすすられている」感覚に陥ります。

f:id:blog-media:20200331120701j:plain

そしてなにより蕎麦をすすった後に飲む「蕎麦湯」、これが現存するあらゆる飲み物の中で一番うまい。水筒で持ち歩きたい。そばつゆと割ることで出汁の旨味が口いっぱいに広がり、まるでコンサートのラストのように脳の「蕎麦」を感じる以外の機能が停止します。

幼少時代、我が家ではめでたいことがあるときまって東家の蕎麦を食べに行くのが習慣だったのですが、蕎麦湯の魔力に取り憑かれた私は「蕎麦を食べる前につゆを全部飲み干して」父にぶん殴られた思い出があります。

竹老園 東家総本店
住所:北海道釧路市柏木町3-19
電話:0154-41-6291
営業時間:午前11:00~午後6:00まで/毎週火曜日定休
chikurouen.com

真のソウルフード・釧路カレーチキン

f:id:blog-media:20200331121029j:plain

釧路市民の「真のソウルフード」と言っても過言じゃないのがこのジョイパックチキンの「カレーチキン」。2018年に鳥取大通にあった「ジョイパックチキン」がまさかの閉店を迎えてしまいましたが、2019年6月に芦野にてまさかの復活。まさに不死鳥のように何度でも蘇るゴッドオブチキンがそこにはあります。

f:id:blog-media:20200331121115j:plain

ジューシーなモモ肉にカリッカリの衣、スパイシーなカレー粉は三位一体。食べるたびに「揚げられている鶏が喜んでいる」のがはっきりと分かります。

余談ですが、ジョイパックチキンが鳥取大通のスーパー、ビッグハウスに鎮座していた頃、その数百メートル横に「ケンタッキーフライドチキン」があったのですが、ジョイパックチキンのあまりの人気ぶりにカーネル・サンダースの像が涙を流していた、という逸話があるほどカレーチキンは釧路の人間にとっての「魂」として君臨し続けているのです。

f:id:blog-media:20200331121149j:plain

学生時代は本当に狂ったようにカレーチキンを食べ続け、あまりに好き過ぎて単体で味わうのはもちろんのこと、カレーチキンを白米にのせて食べる「カレーチキンオンザライス」、身を剥いでレタスとトルティーヤを巻いて食べる「カレーチキンツイスト」、カレールーをかけて食べる「カレーチキンカレー」、ケンタッキー・フライドチキンとカレーチキンを交互に食べる「チキンアンドチキン」、お風呂に入り身体を清潔にしてから食べる「キチンとチキン」、恋人と食べるカレーチキンがなによりも一番「カレーチキンラバーズ」とあらゆる食べ方を極めました。

最後のは嘘です。すいませんでした。

ジョイパックチキン 芦野本店
住所:北海道釧路市芦野5-1-6
電話:0154-35-9744
営業時間:10:00~19:00
tabelog.com

初見殺しのラーメン屋・ラーメンの高橋

釧路ラーメンといえば、全国でも有名ですが初見では絶対に入ることのできない禁断のラーメン屋があります。それが鳥取大通にある「ラーメンの高橋」。なぜ入ることができないのか、その理由は一目でわかるその「外観」。コンビニ・ローソンの横にポツンと佇むビニールハウスで覆われたあまりにも簡素過ぎる店構えは例えるならRPGにおけるラスボスを倒したあとの隠しダンジョン。

f:id:blog-media:20200331121648j:plain

「えっ?最初の村の井戸の中が、、、ダンジョンに?」

ゴールはスタートにあったともいうべき衝撃の事実。

そしてそこで出てくるラーメン。誰もが頭の中に思い浮かべる「THE・ラーメン」そのもの。

f:id:blog-media:20200331121536j:plain

東西南北のあらゆる有名ラーメン店を食べ尽くしたあとに食べるこの1杯は私たちが社会の荒波にさらされ、欲にまみれ、汚れてしまった心を浄化してくれるまさに「原点」にして「頂点」の味。それが、高橋。

f:id:blog-media:20200331121617j:plain

f:id:blog-media:20200331121705j:plain

釧路では珍しく日をまたいで営業してくれているのもありがたく、学生時代は夜遊びした帰りによくお世話になっていました。しかし、当時近くのコンビニは不良のたまり場になっていて運悪くエンカウントすると気づけば所持金が半分になっていることもありました。人生はRPG。

ラーメンの高橋
住所:北海道釧路市鳥取大通3-20-15
営業時間:18:00~翌1:00
tabelog.com

豚の王は釧路にいた ぶた福

f:id:blog-media:20200331122001j:plain

「豚丼」と一般的に言えば帯広を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、それに匹敵、いや帯広を超えるほどの絶品豚丼が食べられる店があります。それが大楽毛(おたのしけ)にある『ぶた福』。

f:id:blog-media:20200331122037j:plain

見るだけで胃がはち切れそうなそれはドンブリからはみ出るほどの大きさの肉が何重にも重なり圧倒的なボリューム感を生み出しています。

f:id:blog-media:20200331122059j:plain

極限まで腹を空かしてから食べる豚丼は宇宙。学生時代から非常にお世話になっている店のひとつであり、ここの豚丼1食だけで一日を過ごしたこともあります。英語のことわざに “The way to a man's heart is through his stomach”「人の心をつかむ道は胃袋から」という言葉がありますが、私にとっての『ぶた福』はまさにそれ。豚丼と結婚したい。

全てのメニューが圧倒的にうまいのですが、ロースとバラ肉を同時に食べられる「ミックス豚丼」は贅沢の極み。香ばしく焼き上げられた豚肉と甘じょっぱい醤油ダレの相性はまさに豚の王・King Boo。全てを忘れさせてくれ……。

ぶた福
住所:北海道釧路市大楽毛西1-15-8
電話:0154-57-4635
営業時間:11:00~14:30/17:00~20:00 火曜日定休
tabelog.com

地元民から言わせると、釧路の街はうまいもん食って今日も一日頑張ろう! みたいなパワーが溢れています。なので、このほかにも釧路にはまだまだ知られざるZ級グルメが数多く存在しています。 あなただけの「Z(絶品)級グルメ」をぜひ探してみてくださいね。

※旅行やお出かけの際は、各自治体の情報発信に注意のうえ、安全、体調に十分配慮してください。

撮影:原田啓介

書いた人:かんそう

北海道釧路市生まれ、札幌市在住。はてな登録読者数4,400人を超えるサッポロ・ニュー・ミクスチャー・ブログ『kansou』を運営。

編集:はてな編集部