客室乗務員(CA)といえば、キラキラの笑顔と身にまとう華やかな空気……皆、一様に美しく輝いています。
本連載では、ライターの木村衣里がAIRDOの客室乗務員訓練の一部を体験、その美しさの裏に秘められた努力や訓練の厳しさをレポートします。
Yorimichi(よりみち)AIRDOをご覧のみなさ〜〜ん!!子どものころの夢はなんですか〜!?
はじめまして、ライターのきむら いりです。突然大声だしてすみません。
みなさんの周りに、子どものころ将来の夢を聞かれて「スチュワーデス(客室乗務員)!」と答えていた子はいませんでしたか?
わたしが小学生のときは、多くの女の子たちが「スチュワーデス(客室乗務員)になりたい!」と言っていた記憶があります。
ちなみにわたしは「占い師」でした。
最近ではキャビンアテンダント(CA)と呼ぶのがスタンダードになっている「客室乗務員」。美しさや華やかな雰囲気から憧れの職業とされることも多いですが、その道のりはかなり厳しい……というイメージもあります。
どうすればいつもあんなにキラッキラの笑顔を振りまけるようになるのか……実際の講習や訓練の一部を体験させていただき、客室乗務員デビューまでの道のりを疑似体験しましょう!
ということで、おじゃましたのは東京国際(羽田)空港内にあるAIRDOオフィス。
本日の講師は入社12年目のベテラン客室乗務員、飯島佳代さんです!
よろしくお願いいたします。今日は、本来2カ月かけて行う訓練の一部を、模擬訓練という形で体験していただきます。多少厳しいことも言うかもしれませんが、がんばってくださいね!
(これは覚悟しないとだな……)
お客さまに安心感・信頼感・安全を提供するための「身だしなみ」
さっそく模擬訓練スタート!
木村さんは、「おしゃれ」と「身だしなみ」の違いはわかりますか?
ええと……、「おしゃれ」は自分のためで、「身だしなみ」は相手のためのもの……?
その通りですね。客室乗務員が身だしなみを整えるのは、自分自身の気持ちを整えるスイッチとしての役割もありますが、なによりもお客さまのためです。特に客室乗務員は「統一美」が重要ですので、身だしなみに関するルールは詳細に決められています。
ほんとだ。髪型だけでもめちゃくちゃ細かい規定があるんですね
AIRDOには客室乗務員が200名以上いますが、全員このルールに沿った髪型をしています。たとえば搭乗している客室乗務員の中で一人だけが周りとちがう格好をしていたら、会社としての信用問題にも関わってきますよね。統一された基準に身だしなみを整えるのは、会社の看板を背負っている責任でもあると思います。
たしかに、一人だけスジ盛りの人がいたら、ちょっとイヤだな。
髪をまとめる位置にも基準があって、耳の直線上かすこし上としています。これは耳の位置よりも低すぎると疲れた印象になってしまい、逆に高すぎると幼い印象を与えてしまうためです。また、機内はとても乾燥するため後れ毛がでやすいのですが、ボサボサの状態では疲れているように見えてしまいます。ただ、ヘアピンを多用するのも生活感が出てしまうため最小限にとどめ、ジェルやムース、スプレーを駆使して常にフレッシュな印象になるよう心がけているんですよ
みなさんの髪型がピターっとツヤーっとしている理由はちゃんとあったんですね……知らなかったです。
では、せっかくなので木村さんも客室乗務員仕様の髪型にしてみましょうか!
まっさきに髪色をチェックされる私。
この髪色は……アウトですね(笑)。
学生時代の「頭髪検査」を思い出しました……(笑)。ちなみに、これが訓練生だった場合はどうなるのでしょう……?
次の日までに染め直していただきます。
(ますます学校っぽいぞ……)
まとめていた髪を一度ほどき、タイトにまとめ直します。
先生にも手伝っていただいて……
【Before】
↓
【After】
ピッシーンという効果音が聞こえてきそうな髪型の完成です。後れ毛ひとつありません。
こういった髪型は、根本には「客室乗務員のケガを防ぐ」目的があります。緊急時にお客さまの安全を守る立場である客室乗務員がケガをしてしまっては、職務を全うできないですからね。
だからヘアピンのさし方からヘアアクセサリーの種類まで決められているんですね。「身だしなみ」は相手に不快感を与えないためのものだと思っていましたが、客室乗務員さんにとってはそれ以上の意味合いがあるんですね。
せっかくなので、とスカーフも巻いてもらいました。なんだろう……コレジャナイ感。
木村さん、どうして客室乗務員はスカーフを巻いていると思いますか?
キレイなお姉さんをより華やかに見せるため……?
それもあながち間違いではありませんね。客室乗務員は航空機内での保安要員なので、凜とした姿を見せることがお客さまの安心感につながることもあります。そのためにはパッと目を引く存在感も必要なんですね。 ほかにもケガの手当てに使えたり、場合によっては拘束具として使えたり……と、さまざまな用途が想定されているんですよ。
たまにスカーフの色がちがう客室乗務員を見かけますが、その違いはなにかあるんですか?
それは先任客室乗務員、パーサーと呼ばれる責任者かそうでないかですね。搭乗中、入り口で挨拶するのもパーサーの役割です。AIRDOではパーサー資格を取得すると、黄色が入っていないスカーフを着用するようになります。
そうなんですね……! こういうお話を聞いてから飛行機に乗ると、いつもとちがう見方ができておもしろそうです。今度乗ったときに確認してみます!!
客室乗務員の身だしなみには、お客さまへのおもてなしの心だけでなく、安全面を考慮しての理由もあることがわかりました。
次回は、いよいよ接遇マナーやアナウンスなどのロールプレイング訓練を体験!果たして木村は無事に乗り切ることができるのか……お楽しみに!
それでは!
書いた人:きむら いり
北海道函館市出身。プレスラボ所属の編集/ライター。企画したり取材したり執筆したり編集したり。動物が好きで、この世で一番愛らしいのはカバだと思っています。
Twitter:@i_s_ooooo
飯島先生、今日はよろしくお願いします。