こんにちは、ライターの佐々木ののかです!
出張でよく飛行機に乗ることの多いわたし。「色んなところに出かけられていいね」なんて言われるのですが、そうは言ってもお仕事。早朝便で出て翌朝まで徹夜で取材をし、朝一便で帰ってくるなんていうこともしばしば。
一番悲しかったのは、地元北海道に行ったのに、取材を終えて、その日のうちに帰ってこなければならなかったことです。せっかく行くならば、もっと故郷、北海道を感じたかった……。
考えあぐねたわたしは、ある結論にたどり着きました。
移動している時間をもっと有意義に使えばいいんじゃないの!?
そう考えたわたしは、機内で北海道を味わうべく、意見書を持って、北海道の翼AIRDOに突撃することに。
対応してくれたのは、川瀬さん。客室担当として機内サービスの企画などを行っている方です。
2015年から「Do Sky Marché」という名前で、機内サービスを充実させる取り組みをしております。機内で北海道を感じて頂ける新サービスに力を入れていたのですが、やはり努力不足でしたよね……。
……一旦、意見書を取り下げるので、ちょっとお話聞かせてもらってもいいですか?
もちろんです! たくさんお話しますよ!
朝食サービスにハッピーアワー? 「空飛ぶ市場」で感じる北海道
さっきは取り乱してすみませんでした。AIRDOの取り組みがあれば教えてほしいんですけど。
まず機内の無料サービスに力を入れています。
無料サービス? せいぜい水とコーヒーとりんごジュースとスープからしか選べないあれですよね。
わたしたちは常時6種類から選べるようになっています。中でも推しは、コーヒー、定期的に入れ替えるスープと期間限定の客室乗務員イチオシドリンクです。
出た! コーヒーとスープなんてどこでも出しているじゃないですか。やっぱり意見書を出さなきゃ……。
ちょっと待ってください! コーヒーは「珈房サッポロ珈琲館」という札幌のコーヒー屋さんのものを使用し、スープも北海道の素材を使ったじゃがバタースープ、または北見産の玉ねぎを使用したオニオンスープなんです。
うん、こだわりが感じられる。3ポイント追加!
ありがとうございます! それから、期間限定の客室乗務員イチオシドリンクも、「リボンナポリン」や「コアップガラナ」といった北海道民に愛されているものを選ばせていただいていて……お客様と直接かかわる客室乗務員の声を集めて、どのドリンクにするか決めているんです。
あぁ、ガラナ! ふるさとの味だ。さらに3ポイント追加!!!
有料メニューも充実していて、北海道にこだわったビールやワインもご用意しているんです。
うーん、でもそれはまぁ普通ですね。
一気にテンションが下がりましたね(笑)。でも、サッポロビールさんのサッポロクラシックを機内で提供しているのは、日本でAIRDOだけなんですよ。
しかも、平日夕方以降の対象便限定にはなりますが、サッポロクラシックをおつまみ付で販売する「ハッピーアワー」もあるんです。
うわぁ、わたし、ハッピーアワーって言葉にめっぽう弱いんです……。ちなみにサッポロクラシック、おつまみ付でおいくらですか?
200円です。
200円!!! 安い~~~! 企業努力~~~!
かなり、頑張っています(笑)。北海道のものをもっとたくさんの方に味わっていただきたいので。
川瀬さん、愛ですね。
え?
今、わたし、愛を感じました。今のお話で、北海道を全身で感じることができました。
……うれしいんですけど、まだまだお話したいことがあるので、もう少しお付き合いいただけますか?
わかりました、受け止めます。
(何の話だろう……)
一流シェフがつくる味噌バター雑炊とパンの無料モーニングサービス
もうけっこう大満足しているんですけど、まだこだわりがあるんですよね?
はい、実は11月1日から、あるサービスが2つ始まるんです。
2つも! 教えてください。
まず1つ目は「モーニングサービス」です。
モーニングサービス!? 飛行機の中でですか?
そうです。札幌―東京間の平日の始発便に限ってですが、オニオンブレッドをサービスしています。北海道産の小麦とタマネギを使っているので、このパンでも北海道を味わっていただけるかと。(※お一人さまおひとつです)
へぇ~、おいくらですか? 500円くらい?
無料のモーニングサービスです。
えっ、無料? ホテルじゃないんだから!
でも、早朝のフライトだと、確かに朝食を食べる機会がなかったかも……。
そうですよね。手のひらサイズの小さなパンなので、あまり重くなく、観光しに行く方でも昼食の予定を邪魔しないサイズ感にしました。ちなみに、国内で手作りのパンを無料でサービスするのは日本初です。
サラッと日本初を打ち立ててきましたね。他にも推しメニューがありますか?
期間限定のスープシリーズの新作、その名も「味噌バター雑炊」があります!
あぁ、名前だけで既においしそうです……。
今回の雑炊を手掛けたシェフは札幌出身の方で、プリンスホテルやヒルトンホテルで修行した、かなりの腕の持ち主なんですよ。
北海道出身なうえに、ホテルで修行!?!?!? 間違いないお味じゃないですか!
そうなんです。具だくさんでボリュームがありますし、食べごたえがあって、北海道を感じられるテイストになっていて……。
食べたい。
え?
その2つ、食べたいです。今すぐ北海道を感じたくなってきました。
いや、でも、機内のみのご提供なので……。
川瀬さん、意見書出しちゃいますよ!
そんなに言うなら……。
半ば脅迫する形になってしまいましたが、交渉は成立。パンと味噌バター雑炊を試食させてもらうことになりました。
こだわりの味噌バター雑炊とオニオンブレッドを試食させてもらった!
というわけで、特別に発売前の商品を試食させてもらうことに!
まずは味噌バター雑炊から。見た目からも伝わる、ボリューム感。さぁ実食!
おいしい! これは味噌バターラーメンだ!
トウモロコシやタマネギなど粒感のある具材のうまみが、お米に絡んでいます。また、スープ部分はとろっとした舌ざわりでお腹にやさしいテイストです。これは、おいしい!
続いて食べたのは、無料モーニングサービスのオニオンブレッド。北海道産小麦とタマネギを使った素材にこだわった逸品とのこと。味のほうは……
タマネギがシャキシャキだ!
タマネギの甘みがふわっと広がって、あとからスパイスのパンチが効いてくる! まるでパンとスープとサラダを一緒に食べたような満足感。これは朝食にピッタリです。
川瀬さん、雑炊とパンっておかわり自由ですか?
いやぁ、それはちょっと……。
おかわりできないのかぁ、じゃあ出るものも出ちゃうかなぁ……。
もう! 特別に食べられたんだから良いじゃないですか。
そこを何とか!
どうかしましたか?
ん? だれ?
わたしたちがつくった張本人(シェフ)です!
ご、ご本人登場!?
質問があればどうぞ
何でも答えます。
プロは、迫力が、違う……。
いきなりのシェフ登場にビビッて、さっきまでの勢いが嘘のようにこの表情。
あ、おかわりしたいんでしたっけ?
お話を伺ってからで大丈夫です。よ、よろしくお願い申し上げます……。
料理の鉄人たちに聞く! 新メニュー開発秘話とその想い
白くて長いコック帽に圧倒され、タジタジだったわたしですが、せっかくなので、新メニューの開発秘話とその想いを聞いてみることにしました。
香取シェフ! オニオンブレッド、とってもおいしかったのですが、つくるにあたって苦労されたことはありますか?
タマネギの水分調節が大変でした。水っぽくなってしまってもいけないし、オーブンで水分を飛ばし過ぎても風味が出ないので、かなり試行錯誤を重ねましたね。
最終的には北海道産のタマネギをスライスした、特注のフライドオニオンを混ぜ込むことで今の形に仕上げました。
えっ、このオニオンブレッドをつくるためだけに特注したんですか?
はい。他の地域のフライドオニオンもあったのですが、AIRDOさんが北海道産の素材をどうしても使いたいということだったので、現在は調達が難しい北海道産のタマネギを苦心して探し回り、良質のタマネギを確保して使用しています。
素材へのこだわりがすごい! やはり北海道産のタマネギは良いんでしょうか?
まず香りが他産地のタマネギと違いますね。開発段階ではタマネギをお召し上がり頂いたパンの2倍程入れてみたのですが、北海道産のタマネギは香りが引き立つので半分の量でも十分でした。 それから甘みが特徴的なので、グリーンペッパーとブラックペッパーで引き立てるようにしましたね。
だからパンチが効いた味になっていたんですね! 料理を食べているような気分になったんです。これは早く色んな方に食べていただきたいです!
今度は吉倉シェフに質問です。味噌バター雑炊はどういったところから着想を得たんでしょうか?
味噌バターラーメンです。
やっぱり! わたし、口に入れた瞬間に「ラーメンだ!」と思いました!
それはよかったです。「北海道らしいメニューを」と言われたときに、かなり考えたんです。北海道っておいしいものがたくさんあるところが難しかったですね。
最終的には僕の好物の味噌バターラーメンを思いつきました。機内で出すことや、「食べるスープ」を意識して雑炊に落ち着いた形です。
はい! かなり食べごたえと満足感がありました!
ところで吉倉さんは、札幌ご出身ですよね? 北海道で好きなスポットなどはありますか?
小樽オルゴール堂は好きですね。あとは、新千歳空港が大好きです。
新千歳空港!?
おいしいものがたくさん売っているし、レストランも充実しているじゃないですか。やっぱり食べることが大好きなので、新千歳空港は天国ですね。
わかります(笑)。それにしても、北海道をよく知る人が新メニューを作っているというのは、個人的にも嬉しいです。
オニオンブレッドと味噌バター雑炊を機内で食べるのを楽しみにしています! ありがとうございました!
意見書を持ってAIRDOに乗り込んだものの、新メニューを試食し、シェフ直々のお話を聞けて大満足のわたし。しかし、また1つ新たな欲望が芽生えてきました。
川瀬さん、わたしパンの制作工程も見たいです!
さすがに無理がありますって!
出るもの出ちゃうぞ。
はい、もう、わかりました……。
意外とかなり〇〇だった! パン製造所に潜入!
というわけで、特別な許可をとり、白衣に着替えます。
もはや誰が誰だかわからないほどに真っ白。
川瀬さん、とてもお似合いですよ。
ほとんど顔が出ていないのに、似合うとかあります?
入る前にも粘着テープで塵をとり、手洗いをして、最後に風で塵を吹き飛ばして、ようやく入室。衛生管理が徹底されています。
今回見せてもらったのは成形の過程。機械で丸めていくのかと思っていたら、なんと多くのパンの成形は手作業。ほかにもパンを切り分ける作業をはじめとして、多くの作業が手作業で行われていました。
成形される前の生地と成形された後のパンは発酵室に入れられます。
種類にもよりますが、およそ1時間休ませて酵母を増やすのだそうです。
ちなみにこの工場では1日に何個パンを作るんですか?
3万個くらいですかね。
3万個とは驚きですね。メモしておきます。
白衣も視界も真っ白ですが大丈夫です、驚いています。
発酵させた後は、いよいよオーブンで焼き上げられて完成。個包装に詰められて、空港に運ばれていくのでした。
川瀬さん、色々とご無理と生意気を言ってすみませんでした。
意見書、取り下げさせていただきます!
ご納得いただけてよかったです! 今後ともよろしくお願いします!
たくさんの人が関わり、
想いを詰めて開発された、
渾身の新メニュー。
11月1日から始まる新メニュー「北海道味噌バター雑炊(500円)」と「無料モーニングサービス オニオンブレッド(※対象便:札幌-東京線始発便)」をはじめとして、北海道を感じられる機内サービス が充実しているAIRDO。
北海道に行く際は、AIRDOの機内で北海道を丸ごと味わってみてはいかがでしょうか?
書いた人:佐々木ののか
1990年生まれ、北海道音更町出身。高校までを十勝で過ごし、大学進学を機に上京。1年間のフランス留学を経て、現在は東京を拠点にライターとして活動中。2カ月に1度は帰省するほどの地元好きで無類のお酒好き。帯広のソウルフード「インデアンカレー」はシーフード派。
Twitter:@sasakinonoka
川瀬さん、こんにちは! 突然ですけど、わたしはもっと機内で北海道を感じたいんです! 北海道の翼って銘打っているんだから、その辺りもう少しどうにかなりませんか!!!