こんにちは!
消毒なしの源泉かけ流しの温泉に拘って温泉を入り続けている温泉ソムリエぐっちです。
さて、今回は北海道北見市の温泉を3ヶ所、厳選して湯めぐりをしてきました。
北見温泉、温根湯温泉、塩別温泉です。
これらの温泉は全てアルカリ性の温泉で、いわゆるツルツルの湯!
さらに硫黄分も含んでいて、まさに香りはゆでたまご!
私の大好物のお湯です。
では、早速行ってみましょう!
ポンユで知られる北見温泉「三光荘」
まずは北見駅から一番近い北見温泉「三光荘」へ。北見駅から車で約40分。地元で大人気の温泉です。
「ポンユ」の愛称で親しまれる「三光荘」ですが、「ポンユ」とはアイヌ語で「小さい湯」という意味だそうです。
温泉は200m程掘削して自噴し、その湧き出した温泉を空気に触れない状態で湯船の湯口までポンプで送られており、とても鮮度の高い温泉が提供されています。
※温泉の湧出形態は「自然湧出」「掘削自噴」「動力揚湯」の3タイプ。前2つは自然に湧き出しているのに対し、「動力揚湯」は湧き出していない温泉を、ポンプで汲み上げている。現在日本の多くの温泉は「動力揚湯」。
※温泉は空気に触れると酸化・劣化していく。空気に触れていない温泉ほど鮮度は高い。
では、温泉へ。
階段を下った先に浴室があります。
嬉しいことに温泉は加温・加水・循環・消毒を一切しない正真正銘のそのまんまの無加工の温泉です。源泉は2つあり、約38℃と約42℃の2つの内湯があります。泉質はどちらも「アルカリ性単純温泉」、pHは9.5というかなりのアルカリ度を誇っています。
浴室は至ってシンプル。そして浴室内には柔らかなゆでたまごのような硫黄成分由来の香りが充満しています。
浴槽は2つ。写真手前が熱めの湯で、奥がぬるめの湯。ぬるめの浴槽の奥には、打たせ湯もあります。
浴槽からは美しい透明な湯が静かに滔々とかけ流されています。
ご一緒したお客さんと。
浴感はアルカリ性の温泉ならではのツルッツルっ!
肌がピカピカになります!
アルカリ性の温泉は油分を洗い流してくれます。ただ、湯上り後は肌が乾燥しやすくなりがちですので、保湿をされるとベリーグッドです!
写真右が打たせ湯です。
仕切りもありますので、しぶきの心配はご無用。
38℃のぬる湯の打たせ湯はとっても気持ちいいですね。
38℃は体温とほぼ同じ温度ですので、いわゆる不感温度と言われ、浸かっていると温泉と皮膚との境界線がわからなくなるような不思議な感覚になります。さらにのぼせることがないので、じっくり長湯するのにもってこいです。
こちらの浴槽では常連さんがゆ~っくり浸かっていらっしゃいました。
私も、あまりにも気持ち良すぎて、ついつい長湯をしてしまいました。
「三光荘」には露天風呂はなく、タイル張りの内湯だけの温泉なので新鮮この上ない温泉を贅沢に滔々とかけ流しで味わえるこちらの温泉は私にとってビンゴ!
まさに生きている温泉をこころゆくまで堪能させて頂きました。
またいつか行きたい温泉がひとつ増えました。
でかすぎる温泉宿 温根湯温泉「大江本家」
北見温泉より西へ車を走らせること約20分で温根湯温泉「大江本家」に到着。
でかっ!
どアップの写真、失礼しました。
ほんまにめっちゃでかいです「大江本家」。
客室数は、なんと174室!
温根湯温泉と書いて「おんねゆおんせん」と読みます。北海道にはもうひとつ「オンネトーおんせん」もありますが、両方とも同じ意味でアイヌの言葉で「大きな湯」という意味だそうです。
温根湯温泉は川から自然に温泉が湧き出ていて、明治30年頃に森林調査により源泉が発見されたそうです。
ロビーは、とても明るくて広いです。
リゾートホテルのような雰囲気が感じられます。
ということで、早速お風呂を頂くことにしました。
非常に清潔感漂う館内です。
脱衣所もゆったりしていてとても清潔です。
脱衣所には各浴槽の湯の使い方が一目瞭然な掲示が。
赤く塗られた浴槽がほとんどで、この赤く塗られた浴槽が温泉そのまんまの加温なし・加水なし・消毒なしの源泉かけ流しの温泉です。
温泉施設でこのような掲示、なかなかお目にかかれません。お客さま目線の気配り、とても嬉しい配慮です。
他の温泉施設でも是非このような掲示をして頂きたいですね。
では、浴室へ。
広っ!
そして私の大好きなゆでたまご臭がプワ~ン!
さすが大型温泉宿だけあって、浴室はかなり広々としています。
浴槽も沢山です。
「大江本家」では嬉しいことにそのまんまの正真正銘の源泉かけ流しの浴槽が沢山あります!
また、ご覧のように浴槽から溢れる湯量がとても多いことがわかります。
では、いただきますっ!
こりゃ、たまらん!
全身ツ~ルツル!
うなぎにでもなったような気分です。
こちらの温泉の泉質は「単純硫黄泉」。pHは「9.1」というアルカリ性。
実に素晴らしいですね。
こちらももちろんかけ流し~!
では、露天風呂へ。
キンキンに冷えた空気の中でポカポカ湯であったまる! たまんないっすね!
露天風呂に浴槽は2つ。露天風呂はそれほど大きくはありませんでしたが、もちろんそのまんまのかけ流しの温泉、とても気持ち良く入浴させて頂きました。
「大江本家」の温泉ソムリエでもある総支配人の須藤さんへお話しを伺いました。
須藤さん:脱衣所に掲示している図で赤く塗られている浴槽につきましては、加水、加温、循環、ろ過はしておりません。浴槽の清掃は、毎日行っております。
ぐっち:ORP*についての掲示までされていて感動しました。
*ORPとは酸化還元電位のことで、水(温泉)が酸化されているのか、還元力があるのかを調べる測定方法。湧き出した温泉は還元力があり、その後空気に触れたり消毒を施すと酸化されるため、新鮮な温泉であるかどうかの一つの指標となる。
須藤さん:ORP値は、自前の機器にて測定させて頂きました。お客さまへ「大江本家」の温泉の素晴らしさを少しでもお伝え出来ればと思い掲示させて頂いております。
ぐっち:温泉は自家源泉でしょうか?
須藤さん:いえ、温泉は自前ではありません。温根湯温泉利用協同組合より配湯して頂いております。泉源は3ヶ所あり、合計毎分約1,000リットルもの豊富な湯量があり、当館を含め3施設に配湯しています。また温度も53℃あるため、源泉かけ流しで提供させて頂けております。
大型温泉ホテルへは、あまり足が向かない私でしたが、湯量が豊富であれば、大型ホテルや大きな浴槽でも温泉を加工せずに提供できるんだと改めて実感させて頂きました。
本当に大型の温泉宿の中で、「大江本家」はとても貴重な温泉宿だと思います。
裸で橋を渡って露天風呂?! 「塩別つるつる温泉」
温根湯温泉からさらに西へ車を走らせること約20分で「塩別つるつる温泉」に到着。
フロントはこのようにとてもスタイリッシュ。
都市部の新しいシティホテルのようです。
まずは、フロント・営業マネージャーの鈴木さんにお話をお伺いしました。
ぐっち:とてもスタイリッシュで新しいように見えますが。
鈴木さん:ありがとうございます。2014年にリニューアルしまして、宿としましては1974年より続いております。
ぐっち:そうだったんですね。温泉についてですが、湯使いはどのようにされているんですか?
鈴木さん:我が宿では現在2本の源泉を使用して、温度調整をし、適温にさせて頂いています。よって、加水も加温もなく、もちろん循環や消毒もない温泉100%を利用しております。また、浴場も2ヶ所あり、ひとつは大浴場と露天風呂。もうひとつは「竜神の湯」と言いまして、小さな内湯がひとつだけになります。
ぐっち:別に2ヶ所あるんですね。これって、日帰りで来られたらどちらかだけの利用ということでしょうか?
鈴木さん:いえいえ。どちらもご利用頂けます。
ぐっち:まじっすか! それはかなりお得ですね!
鈴木さん:確かにそうかもしれませんね。そして、大浴場は42℃に、竜神の湯は40℃に調整していますので、2つの源泉比率が異なり、竜神の湯のほうがややツルツル感が高いと言われています。
ぐっち:それは楽しみです!では、早速ですがお風呂を頂ければと思います。
鈴木さん:では、まずは大浴場へご案内させて頂きます。
まずは大浴場の内湯です。タイル張りで清潔感があり、とても機能的レイアウトです。
寝湯にジェットバスもあり、これらも全て源泉かけ流し!
特にこの小さな浴槽はドバドバと源泉が注がれ、流れる量もご覧の通りの、川のようなかけ流しです。
「塩別つるつる温泉」の泉質は「単純硫黄泉」。そしてpHは9.6です。とってもアルカリ性な温泉です。
では、入らせて頂きましょう。
素晴らしいツルツル感!
これは、名湯ですね。
硫黄泉ではありますが、あまり硫黄の香りが漂っていません。
そして、お湯を味見するとぽわ~んとゆでたまごのような香りが口の中でしっかりと感じられました。
これには、おもわずニンマリしてしまいました。
では、露天風呂へ。
露天風呂への扉を開けると、ご覧の景色が。
なんと、川の対岸に露天風呂があります。
なので、小さな橋を渡って露天風呂へ行きます。
裸のまんまで橋を渡る・・・プレミアムな体験です。
ここの露天風呂、超気持ちええっす!
景色や開放感、浴槽のサイズ、お湯の鮮度、どれもグッドです!
この露天風呂、ほんとおすすめです。
お子さまから温泉通の方まできっと楽しんで頂けるのではないでしょうか。
十分満足なのですが、「塩別つるつる温泉」にはもうひとつ「竜神の湯」という浴室があるので、折角なので頂くことに。
大浴場に比べるとなんとも質素な入口です。
「竜神の湯」は内湯のみ。それもこの小振りの浴槽がひとつだけです。
大浴場は42℃に設定されていますが、「龍神の湯」は約40℃に設定されています。
「塩別つるつる温泉」には源泉が2本あり、その温度の違いを利用し、源泉の比率を変えることで温度調整をされています。
そのことで、「龍神の湯」は大浴場に比べてさらにつるつる度がアップしているそうです。
「塩別つるつる温泉」はその名の通り、ほんとツルンツルンの極上湯でした!
【まとめ】北見の温泉、はっきり言って・・・超おすすめ!
如何でしたでしょうか。
おんねゆ温泉郷の「北見温泉」「温根湯温泉」「塩別温泉」を入らせて頂きましたが、どこもはずれなし!
どこもアルカリ性の温泉なため、ほんとツルツルするお湯でした。
そこに硫黄成分の強弱で、ゆでたまごのような独特な温泉アロマ臭を感じられたり。
強い温泉じゃないので、お子さまから年配の方まで安心して楽しめる温泉です。
そして、この地域のほぼ全てが消毒なしのかけ流しの温泉!
お肌が弱い方も安心ですね。
今回の湯めぐりは、大好きな泉質であり、かつどこもかしこもそのまんまのかけ流しで味わえ、微妙な風味の違いを感じられたのは本当に幸せでした。
「北見温泉」「温根湯温泉」「塩別温泉」は超名湯です!
是非、北海道への旅の際に盛り込んで頂ければと思います。
あ~、ほんまに気持ちよかった。
それではまたお会いしましょう!
書いた人:ぐっち
1971年生まれ大阪人の温泉ソムリエ。ある時温泉に目覚め、その後生きている温泉に拘り、書いたり、しゃべったりして活動中。 生まれたまんまのお湯に入ってみ。きっとわかるから。
ウエブサイト「源泉かけ流しどっとねっと」