こんにちは! ライターのさえりです。
AIRDO旅行記、今回は網走に行ってきました!
が、北海道初心者のわたし、「網走」に何があるか全くわかりません!!!
ということで、とりあえず行ってみることに……。
到着しました「女満別(めまんべつ)空港」。
まずお会いしたのは、流氷パタラ(アイヌ語で、お嬢さんの意)のお2人! パタラは毎年1年ごとに選ばれ、網走の観光PRガールとして活動しているのだそう。
ん~、色々ありますよ!春は天都山(てんとざん)展望台からの桜が綺麗で、夏はフロックスが咲き乱れる「あばしりフロックス公園」、秋は能取湖(のとろこ)のサンゴ草やフラワーガーデン「はな・てんと」、冬なら流氷とか・・・・。あっ、でも網走監獄は絶対行ってくださいね!
「監獄」?
そうです。網走監獄は、2016年2月に国の重要文化財にも認定されたんですよ!
うーん、でも監獄とか怖そうなんで、もっとなんかカワイイやつないんですか?
カワイイ!? え~……、あ、カワイイといえば、網走のゆるキャラ、ニポネがカワイイですよ!
そういうのが欲しかった! 会いにいってきます!!!
と、いうことでやってきたのが道の駅です!
ゆるキャラって実際見ると可愛くないこともあるけど……。
そう、ニポネはかわいい!!!!!!!!!
このボテっとしたフォルム! もしかして絵よりもカワイイんじゃないか!?
思ってたより100倍カワイイ。ニポネは、網走を代表する「ニポポ人形」と「クリオネ」をモチーフとして一般公募されたキャラクターなんだそう。ちなみに男の子でも女の子でもないそうです。
ところでニポネ。網走に初めて来たのだけど、どこに行けばいい?
……
(しまったゆるキャラはしゃべれない問題を忘れていた)
……
……
……
……
びっくりするほど会話ができなかったので、とにかくオススメだという監獄へといざ参りましょう。
監獄に到着!
そして無事、網走監獄に到着です!
今回お話を伺ったのは、誘致広報課長の波多野さん。
よろしくおねがいします
監獄、怖そうなので正直来たくなかったんですけど
まぁそう言わず、行ってみましょう。意外と面白いんですよ
え、面白い……?
……監獄ベビーカー
ちょっとウケる
入り口に誰か立ってると思ったら、
人形でした。
じゃあ中へ行きましょう
博物館網走監獄は、網走刑務所が網走監獄と呼ばれていた明治・大正時代の監獄建造物を移築復元・再現したもので、1983年(昭和58年)に野外博物館として開館したんですよ
へぇ。じゃあ誰かが実際に収容されてるわけじゃないんですね
こちらは歴史博物館なので、今は使われていません。北海道の開拓に大きく関わった「刑務所と囚人たち」の歴史を残しています
ふぅん……。北海道の開拓は、「刑務所と囚人」が鍵だったのか……。でも、どうして……
って、あ、誰かいますね。こんにちは~
って、また人形。
いろんなところに人形がいるので気をつけてくださいね
怖いんですけど
……なんかポップすぎない?
まだ序盤ですけど、全体的にちょっとふざけてません?
ふざけてはないです
「監獄」とか囚人」とかをこんなに明るいテンションで取り扱っていいものなんですか?
はい、大丈夫です
いいんだ
どうやらズーンと重たくなるような歴史博物館を想像していたのですが、ここ網走監獄はそういうものではないようです。
ざーっと要約すると……。
明治の初め、政治的な問題などから囚人が急増。その数は89,000人にも及びました。
「もう収容できない!」
と、いうことで、北海道に監獄が作られたのが物事のはじまりでした。
ほとんど開拓されていなかった北海道には、当時、ロシア帝国の勢力が迫っていました。そうして国は「北海道を開拓しなければ!」と焦ったんだそうです。
そして1890年(明治23年)、小さな漁村だった網走に囚人が1,200名送られ、彼らは網走と旭川を結ぶ中央道路を作る任務を請け負うこととなったのです。
彼らに与えられた期間はたったの8ヶ月。そのうえ、環境は過酷。極寒の中でも毛布一枚しか与えられず、移動をしながらの開拓は多くの犠牲者を出しました。来る日も来る日も開拓を続け、最終的に網走の囚徒たちが作ったのは約200kmにも及ぶ道路。
これが今の北海道を作ったのです。
この犠牲者たちへの慰霊の意味も込めて、この博物館は作られたそうです。
こういうことですよね?
そのとおりです!
に、しても、本来あった場所からここに移築するのはかなりお金がかかったのでは
大変ご苦労されたと聞いております
お察しします……
続いて館内を見たのですが……。
あの……、やっぱりちょっとふざけてません?
ふざけてないです
面白いほうが良くないですか?
まぁ、そうですけど……
(ちょっとシュールすぎる気も)
ここが休泊所です
工事の進行に伴って、1,200人の受刑者が、休泊所を解体したり建てたりを繰り返しながら、前進したんですよ。別名、「動く監獄」と呼ばれていたようですね
へ~、休泊所かぁ……
って、めっちゃ人いる。
なになになになになになに
こわ……
リアルすぎて動き出しそうなんですけど……めっちゃこわい……
……えっ?
!?!?!?
えっ? いま……
びっくりしました?
ね、びっくりしました?
なんなの……
あっはっは
(あっはっは、じゃなくて)
たくさんの異様な人形の中、1体だけ動き出すとかめちゃくちゃ怖い。静かな空間で「ウィン」という音とともに動く人形……。思いっきり叫んでしまいました。怖すぎ。
ときどき動く人形もいますので、探してみてください。
もう見つけたくないです
入浴時間はすべて決められていました。体を洗う時間、流す時間など、すべて指令が飛んでくるんです。でも、ほんのわずかな時間でしたが、囚人たちにとっては一番の楽しみだったはずですよ
へぇ……。歴史を知るのはいいんですけど、わざわざ入浴の様子まで人形で再現しなくても……
えっ、まさか動く人形がここに……!?
……え? 何言ってるんですか……?
え、なんでちょっと引かれてるの?
そうだ。こちらでは「脱獄」の展示もしています
決してメインの展示ではないんですが、これも網走で実際におこった事件なんですよ
(監獄歴史館で脱獄の展示……。自虐かな?)
これが伝説を生み出したと言われる五寸釘寅吉です
伝説……(ごくり)
叔父の仇を討つために、敵の家を放火した罪で無期刑となったんですが、仇討ちをした相手がまだ生きていると知って、脱獄したのが初めの脱獄ですね
脱獄を何度も繰り返した執念の男だったんです。逃げる際、路上で板についた五寸釘を踏んだにもかかわらず、12kmも逃走したと言われてるんですよ
強すぎる。にしても、どうやって脱獄したんですか?
どうやったんでしょうねぇ。この展示にもありますが、囚人仲間が尿をかけた獄衣を塀に叩きつけて、その一瞬の吸着力を利用して壁を超えた、と言われているらしいですよ
彼は計6回も脱獄したんですよ〜。本当に超人ですよね。肩の関節を自在に脱臼させることができたという白鳥という男の展示もしています
執念の次元がちがう。彼はどうなったんですか?
五寸釘寅吉に関しては、網走監獄にきてから模範囚となって、門で掃除番を任されるほどになったんです。そういえば入り口にいたのも、寅吉ですよ
最終的には70歳を超える年齢の時に出所しました。すごい人生だったと思いますよ
ふぅん。脱獄かぁ。すごいなぁ……
でも……
脱獄を扱うのはだいぶスリリングな試みなのでは……
ま、そうですね〜
……
でも、面白かったでしょう?
はい、家に帰ってもっと調べてみます
面白いのが1番ですね
と、ざっと回ってこんな感じです。どうでしたか?
いやぁ、だいぶシュールでした~! こんな風に展示しちゃっていいんだ! っていうものがたくさんあって、それが衝撃的でしたね
そうですか。私たちは入館された方々に解りやすい歴史博物館を目指していますからね。やっぱりテーマは重たいものですから、重たいものを重たく扱っても、誰も見てくれないし、それって誰も喜ばないですよね
楽しみながら、いつのまにか歴史を学べている。そんな風になってほしいんです
(なんだ、ただふざけてるだけじゃないんだな)
じゃあ最後に……、ご飯でも食べましょう
・
・
・
いや、やっぱりちょっとふざけすぎ
結論
網走の監獄はめちゃめちゃ面白かった!!!
いたるところに人形があり、色々と突っ込みどころに溢れた網走監獄ですが、色々と面白がって読んでいくうちにたしかに歴史を知ることができました。こういう寛容な歴史館、もっとあったらいいのにな。
網走に来たら、行ってみる価値あり! だと思います。
あ、そうだ。夏には、監獄宝探しをやる予定なので是非来てくださいね!
(……とにかく明るい監獄)
次回は「監獄」以外の網走観光スポットを紹介しますよ~!
後編をお楽しみに!
書いた人:さえり
書籍・Webでの編集経験を経て、現在フリーライターとして活動中。 人の心の動きを描きだすことと、何気ない日常にストーリーを生み出すことが得意。 好きなものは、雨とやわらかい言葉とあたたかな紅茶。
Twitter:@N908Sa
はじめまして〜! 網走には初めて来ました! 網走のおすすめスポットってどこですか?