こんにちは! ライターのさえりです。
前回は北海道の網走名物、監獄をご紹介いたしましたが(網走観光スポット「網走監獄」はシュールでポップな歴史博物館だった!~網走前編~)、網走の観光名所はもちろんまだまだたくさんあります。
「同じ『北海道』なんだから、どこも一緒なんじゃないの?」と正直思っていたのですが(ごめんなさい)、帯広とはうって変わって、網走は“大人な街”でした。物思いに耽るのにぴったり、というか……。その土地その土地で雰囲気がガラリと変わるなんて、さすが北海道はでっかいどうです。
網走を知らない人も、網走への観光を考えている人も、ぜひ参考にしてくださいね!
網走に到着!
網走に行くために、AIRDO77便で「女満別(めまんべつ)空港」へ。女満別。初めて聞いた言葉。
お願いします! 網走は「流氷」が有名だと聞いたんですが、それは冬のことですよね……。春や夏でも楽しめる観光スポットを教えてもらえませんか?
わかりました! じゃあ1泊2日でめぐれるスポットを教えますね。
網走のB級グルメ「ザンギ」が最高
最初は美味しいグルメから。
ひゃほー!
ここでは、網走名物「オホーツク網走ザンギ丼」を食べることができるんです。
ザンギってなんですか?
ザンギは北海道では主に「鳥の唐揚げ」を意味するんですけど、ここ網走ではちょっと変わっていて、カラフトマスの唐揚げをザンギと呼んでいるんです。
う、うわ……美味しそう!
いただきまー……
あ、ちょっと待ってください。山わさびを混ぜたとろろをかけないと!
えっ!?
なんとなんとザンギ丼には、網走でとれるとろろに、山わさびを擦って入れ、それらを混ぜたものをとろ~~~りかけてから食べるんだそう。
こんなの、絶対旨い!!!!!!!
いただきます!
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はい、うまい~!!!
よかったです(笑)
甘辛のタレがたっぷりかかったごはんに、とろとろの半熟玉子……。そのうえにツンとしすぎず風味は抜群にいい、山わさびととろろ。ザクザクと音をたてるカラフトマスが相まってああもう死ぬ、という味わいでした。
網走最高ですね!
早すぎです(笑)
流氷館で夏でも流氷体験!
次にやってきたのは「オホーツク流氷館 」。
ここでは流氷と、オホーツク海についての展示を行っています。
ここ網走では、冬になると流氷の天使「クリオネ」が見られるんです。ここではそのクリオネも常設展示されているんですよ
クリオネってなんか教科書でみたことがある……!
おおっ、かわいい……!
なにこれ、かわいい。癒されますね。一生見ていられる。
でもね、クリオネは餌を食べる時頭がふたつに別れて、まるで悪魔みたいになるんですよ。ほら見て。
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……映像をみましたが……なかなかファンキーでクレイジーな食事風景でした。
これはぜひ実際に来てみて欲しいですね。貴重な映像なので
クリオネを見るのは食事以外の時間にしようとおもいました。
さ、次はこちらへ。ぜひ流氷ができる-15度の世界を体感してください。中では本物の流氷も触ることが出来ますよ!
あ、いや、寒いのは嫌いなので。
まあまあまあまあ。
……。
タオルをぐるぐるまわすと……、
凍った!!!
わ~すっごぉい!!! って感慨深くなれないくらい寒いんですけど……。
ていうか、わたし上着借りたんですけど、なんで普段着のままなんですか。
え? あぁ、網走の冬なんてこれが普通なので。
つよ……。
もう出ていいですか?
寒がりすぎですよ(笑)
ふぅん……。流氷が音を立てるなんて初めて知りました。
キィィィ……ギギギギ……ギィィ……って、なんだかドアがきしむみたいな音ですね。
そうなんですよ。わたしも網走に住み始めるまで聞いたことなかったんですけど、すごいさみしげな音ですよね。
はい、なんだか……とても切ない気持ちに……。
ちょっとわかります。わたしもはじめて流氷の音を聞きにいったとき、「わたしは一体なぜ生きているのかしら……」みたいな気持ちになりました。
Oh……。なんか中村さん落ち着いてるなぁって思ってたんですけど、網走にいるとこんな感じになるんですか?
どうでしょう? 元々の性格な気がしますけど、でもたしかに網走は元気満タンで人懐っこい! みたいな人はあまりいないですね
帯広はみなさん親切でとにかく好意的に迎えてくださったのですが、対して網走は「シャイ」な印象もたしかにあるような。場所にとって、地元の人の性格も異なるのかもしれません。
網走は、個人的には「元気な時」は考え事にふけったりするのに適していて、「ちょっと元気がない時」は少しさみしげに感じるような、そんな場所ですね。
静かで落ち着いていますよね。哀愁漂う、とも言えるような。
大人な街って感じですかね。
さぁ、他にもたくさん見所があるので次へ行きましょう。
流氷ガラス館できれいなトンボ玉を
ここでは、廃棄された蛍光灯をリサイクルしてつくられたガラス「エコピリカ」で製作されたグッズが買えますよ~。
きれい~!
ガラス作り体験も出来るんですよ。とんぼ玉を作ったり、グラスを作ったり。
予約しておいて作って持って帰るのもいいですね~。
ここは網走川とオホーツク海の両方を見ることができるんです。こだわりの牛乳を使っているので、何を飲んでも美味しいはずですよ~。
ほんとだ……。川の流れも目の前だし、のんびりするのにめちゃ適してますね。なんか考え事が捗りそう。なんかわたしね……たまに人生に迷うときがあって……
聞いてあげたい気持ちは山々なんですが、次にいきますよ。
(あぁ。そういえば取材で来てるんだった)
歴史が学べる「北海道立北方民族博物館」
次に訪れたのは、「北海道立北方民族博物館 」。ここではアイヌ民族をはじめとして、北方に住んでいる民族の衣・食・住・生業・精神文化・文化について学ぶことができます。
博物館とかめっちゃ好きですー! 楽しみ!
アイヌやイヌイトなど世界の北に住む人たちについて900点もの資料が展示してあるんだそう。どのように生活していたのかを見てきたのですが……、厳しい寒さをしのいで生きるための術がしっかり詰まっていて、とにかく「すごい」の一言でした。
事前に予約すれば解説員さんが案内してくれます。が、もし予約ができなくても多言語(日本語・英語・韓国語・中国語・タイ語)に対応している無料の音声ガイドがあるので安心です。
結構しっかり案内してくれたのでめちゃくちゃ勉強になりました。
貴重な映像とかあってびっくりしたんじゃないですか?
はい、アザラシの脂身を食べる映像は衝撃的でした。寒さをしのいで生きるってこういうことなんだなぁって……。でも、わたしはやっぱり寒いところは苦手なので、前世は北方民族じゃなかっただろうなって思いました。
(笑)。脂身も血もすべて、生きるための大事な大事な栄養分だったんですよね。
なんだか博物館とか来るといろんなこと考えちゃいますね……。
まあ、現代に生きるわたしたちは、超おいしいものでも食べにいきましょうか。
お、やったぁー!
ご『両』地グルメ「網走ちゃんぽん」と、超新鮮な「うに&いくら丼」
「お食事処 いしざわ」は、ラーメンをはじめとして様々な絶品料理を提供している老舗。
いいにおい……。
まずは定番の、海鮮丼。網走はオホーツク海で取れたたくさんの食材がありますからね、海鮮は激ウマ! ですよ~。
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あぁ……。
すみませんもう……
ため息しか……
でなくって……。
(笑)。うにも濃厚で美味しいですよねぇ。
でも食べて欲しいのはこっちです。「網走ちゃんぽん」。網走市と長崎県雲仙市の市民交流から生まれた「ご当地」ならぬ「ご両地」グルメなんです!
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ああぁああぁああ……!!!!
ズルッズルズ……
あ……う…うま……
笑みがこぼれてすみません。
あぁもう、スープもシジミの出汁がしみこんでめちゃ美味しいです……。
そうなんですよ! しかもここ「いしざわ」はラーメンで使う出汁を使っているので、なおさら味に深みがあって美味しいんです。
なんか、いいですね。全体的に静かで、それで美味しいご飯がひっそりと待ち構えているかんじ。
押し付けがましくないし、大人な街っていうのも少しわかります。
そうでしょう? のんびりするのにはすごくおすすめなんですよ。
大人、かぁ。一体わたしはいつから「大人」になったんだろう……あの頃は…
あ、考え事をするのは宿泊先まで待ってくださいね?
すみません、つい。取材できてることを忘れて考え事をはじめてしまいそうで……。
宿泊先は「北天の丘」で異空間に
ここで最後。のんびりした旅行の締めくくりは、ホテル「北天の丘あばしり湖鶴雅リゾート」です。
やった~。これでようやく物思いに耽る時間が過ごせる……! 早めにホテルに帰って、いつもと違う空間で自分のことを考えたり日記をしたためたりするの最高ですよね。
そうですね。ぜひ堪能してください。じつは、ここは「時空への迷宮」をテーマにしてるんですよ。
???
あの、すみません、普通に考え事ができればそれでいいんですけど……。
5世紀から9世紀にかけて存在し、その後忽然と姿を消したオホーツク人に想いを馳せてもらおうっていうホテルなんです。
……。
これは……。
(この置物を少しずらすと秘密の階段が現れるのでは……)
(それとも、右右左左左に回すと後ろのドアが開く……?)
(なんだか違うことに想いを馳せているような……)
ちなみに天気がいい日には夜にナイトウォッチングツアーというのもやっているんです。星を見に行ったり、夜に動物を探しにいったり。とても楽しいですよ。ぜひ時空で迷子にならない程度に考え事をしてみてくださいね。
(さっきの置物だけど、まさか右の置物を押してどこかのスイッチの上まで運ぶとか?)
網走観光は以上です。網走監獄もぜひ合わせて行ってみてください。
(あぁ謎の考えがはかどってしまったこんなつもりじゃ……)
(でも何かを考えたくなるような空気、恐るべしこの空間)
網走の印象を一言でいうと「物静か」
どこへ行っても「何か考えたくなる」ような景色を持つ網走。1人物静かに過ごせたら素敵かもしれません。
まだまだ美味しいグルメなど魅力は紹介しきれませんが、個人的には「弾丸」で回るよりも「のんびり」オホーツク海を眺めて過ごすのがおすすめです。
この物静かな雰囲気。これをおしゃれに言うなれば「哀愁漂う街」とでもいうのでしょうか。
自分の未来のこと、今のこと、そして過去のこと。いろんなことを頭に思い浮かべば、網走の空気と相まって「この人生も悪くないかもな」なんて大人なため息をつきたくなってしまうかもしれません。
大人な網走、おすすめですよ。魅力が少しでも伝われば幸いです。訪れる際はぜひ参考にしてみてくださいね。
次は釧路へと行ってきます!
それではみなさん、またね~!
書いた人:さえり
書籍・Webでの編集経験を経て、現在フリーライターとして活動中。 人の心の動きを描きだすことと、何気ない日常にストーリーを生み出すことが得意。 好きなものは、雨とやわらかい言葉とあたたかな紅茶。
Twitter:@N908Sa
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