温泉ソムリエのぐっちです。
前回は定山渓温泉へ行ってきましたが、
今回はいざ登別温泉へ!
登別温泉でも「源泉かけ流し」さらに「消毒していない温泉」に拘っていきたいと思います。
さっそく行ってみましょう!
登別温泉は全国に名を馳せる有名温泉地なので、名前ぐらいは聞いたことありますよね。
入浴剤で「登別の湯」なんてのがあったりするくらい超メジャーです。
登別温泉へは新千歳空港から直行バスで、わずか1時間程度とアクセス抜群!
登別温泉と言えば、乳白色のにごり湯の硫黄泉が有名で、温泉街近くまで来ると、硫黄の香りが漂ってきます。
この香り、温泉好きにはたまらないんですよね!
また、登別温泉には実は硫黄泉以外の様々な湯も湧き出していて、その数なんと9種類!
まさに温泉のデパートやぁ~!
登別観光協会のスタッフと行く、贅沢すぎる天然足湯
まずは登別観光協会の日栄(ひえい)さんと待ち合わせ場所へ。
日栄さん:ようこそ登別温泉へ!
ぐっち:どうぞよろしくお願いします。
ぐっち:あの、ここって川が温泉なんですか?
日栄さん:そうなんですよ。この上流に大湯沼という池があり、湖底から温泉が湧き出して、池全体が温泉なんです。そこからここへ流れてきているというわけなんです。
ぐっち:その大湯沼には浸かれないんですか?
日栄さん:無理無理無理無理!熱すぎてやけどしますよ!ちょうどこのあたりまで流れてきてようやく適温になります。
ぐっち:じゃぁ、ここで裸になって浸からせて頂いてもいいんでしょうか?
日栄さん:いや・・・それは・・・ちょっと・・・。
ということで、さすがに裸で入るわけにはいかず、行儀よく足湯を堪能。
なかなか熱めのキリっとしたお湯で、超~源泉かけ流し!
登別温泉へお越しの際には、ここ、もれなく寄りましょう。
(う~ん、ここで素っ裸で入りたかったなぁ~)
ということで、ぐっち厳選の登別温泉のおすすめ3ヶ所をご紹介させて頂きます。
ぐっちチョイスその1 「ホテルゆもと登別」で4種の泉質のかけ流し温泉を堪能
まず、訪れたのは「ホテルゆもと登別」。
登別バスターミナルのほぼ目の前にそびえ立っております。
「ホテルゆもと登別」では異なる3種類の源泉(温泉)を利用されていて、色々な温泉を味わえます。
さらに打たせ湯や寝湯もあります。
では、まずは白濁の硫黄泉へ。
登別へ来た~~~!
やはり白濁した硫黄泉は、温泉の中の温泉!
温泉の横綱って感じです。
泉質は「酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉」。
pHは2.3と酸性度が高いので、舐めるとレモンのように酸っぱい!
硫黄泉が白濁する理由は、お湯に溶け込んでいた硫黄成分が空気に触れることによりコロイド(小さな粒子)化し、光が反射し白く見えます。
では、次の浴槽へ。
こちらの泉質は「酸性・含鉄(Ⅱ)-ナトリウム-塩化物泉」という珍しいお湯です。
pHはさらに低く2.2!こちらも酸っぱいお湯です。
とろみがあるように感じられました。
酸性度が高いと殺菌力が高く、皮膚疾患や水虫等に効果があったりしますよ。
そして、泉質が異なる「ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」の寝湯があったり、
硫黄泉の打たせ湯があったり、
はたまた2つの源泉をミックスした浴槽があったり、
そして、寝湯と打たせ湯以外の全ての浴槽は源泉が高温のため加水し適温にされていますが、消毒なし、加温なし、循環なしのかけ流しで提供されています。
これは温泉好きな方にとっては嬉しいですよね。
「ホテルゆもと登別」で3種の源泉+ミックスした湯の4種の湯、是非入り比べてみてくださいませ。
ぐっちチョイスその2 「第一滝本館」の浴場は広すぎる~!
次は「第一滝本館」さんへ。
デカっ!巨大です!デカすぎます!
江戸末期に滝本金蔵(きんぞう)氏が登別へ移住し、登別温泉初の温泉旅館を始められました。
これが「第一滝本館」の始まりだそうです。
現在は日本屈指の巨大温泉ホテルとして生まれ変わり、客室数はなんと399!
ロビーも広っ!
浴場には男女合計30の浴槽!温泉も7種の異なる源泉が注がれているそうです。
まさに温泉デパート!
お風呂に早く入りたい気持ちを抑えつつ、まずは「第一滝本館」の湯守(ゆもり)の行町(あるきまち)さんにお話をお伺いしました。
(※湯守とは温泉を守り、管理している方のことです。)
行町さん:第一滝本館で湯守をしている行町です。
ぐっち:どうぞよろしくお願いします!
(若っ!今まで会った湯守の方って年配の方ばかりやったんでかなり意外でびっくり。)
ぐっち:これだけ源泉が多くて、広い浴槽でしたら、湯守の方は何人でされてるんですか?
行町さん:私ひとりで。
ぐっち:え!まじっすか?!
行町さん:浴槽の清掃等は専門のスタッフがいるのですが、お湯の管理は私がやっております。
ぐっち:毎日24時間お風呂に入れるそうですが、清掃はどのようにされているのですか?
行町さん:お客さんの少ない時間帯に順番にお湯を抜いて清掃しています。おおよそですが、それぞれの浴槽は2~3日に一度は湯を抜いて清掃しています。
ぐっち:ということは、浴槽はかけ流しですか?
行町さん:もちろんそうです。温泉を利用している浴槽の湯に関しまして、源泉温度が高いため適温にするために加水はしておりますが、全てかけ流しです。
また、加水の水は館内で飲料水として利用している湧水を使用しています。
あ、金蔵の湯という浴槽だけは加水なしの完全なかけ流しです。
ぐっち:かなり温泉に拘られていますね。これだけ大きい施設ですと循環装置を用いている場合が多いのですが、温泉好きな私にとっては嬉しい限りです!
では、温泉に行ってまいります!
ということで、大浴場へ向かう。
その途中には巨大なからくり時計もあったり。
というか、どんだけ広いねん!っていうくらい、館内を歩いてようやく大浴場へ到着。
脱衣所もめっちゃ広い。
そして脱衣所には飲食コーナーまで!
そして浴場の見取り図。なんじゃこりゃ!
よく読めば1,500坪!広いと噂には聞いてたけど、こりゃ広すぎる!
プールまであるそうな・・・。
恐れ入ります。
さらにお湯の説明も詳しく書かれています。
来られたら折角ですので、じっくりと見ましょう。
いざ、浴室へ。
ドーン!
ドーン!
ド~ン!
さらに、
階段を下って、
露天風呂も3ヶ所!
露天風呂では時間帯によってはお酒も飲めるサービスがあるようで・・・。
いやはや、あっぱれすぎます。
全部の浴槽を紹介すると恐ろしく長い文章になりますので、ぐっち厳選の3ヶ所を。
まずは、真っ白な酸性の硫黄泉の露天風呂へ。
泉質は「酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉」。
お湯の鮮度はバツグン!硫黄臭もプンプン香っています。
これぞ登別の湯って感じですね。
こちらが加水なしの温泉そのまんま100%かけ流しの「金蔵の湯」!
泉質は「酸性-硫黄温泉」。
温度を下げるために、自然に冷める工夫をされているそうです。
素晴らしい!
うっすらと白濁した酸性の湯は、硫黄と鉄分を含んだ独特の香り漂う秀逸なお湯です!
酸性泉は皮膚疾患の方にとってもおすすめです。
また、強い温泉でもありますので、上がり湯にはやさしくかつ保湿・保温効果が期待できる内湯の「鬼の湯」へ。
「鬼の湯」の泉質は「ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-塩化物・炭酸水素塩泉」。
さらりとした柔らかな湯は上がり湯にぴったり。
また、木製の浴槽はとても落ち着き、老舗の温泉旅館的情緒を味わえます。
他には稀有な「酸性-ナトリウム-塩化物泉」や、「ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」もありますので、自分好みの湯を見つけて頂きたいですね。
そして、入浴前にどの浴槽がどんなお湯なのかをチェックしておくと、さらに「第一滝本館」の温泉の違いを楽しめると思います。
温泉天国日本ですが、一つの施設でこれだけ色々な種類の温泉に浸かれるのは「第一滝本館」だけだと思います。
ほんと、あっぱれでした!
ぐっちチョイスその3 登別唯一の日帰り施設「さぎり湯」は2種の硫黄泉がザッバザバ!
登別温泉ラストの湯は「さぎり湯」へ。
登別温泉唯一の日帰り温泉(公衆浴場)です。
大人気のようで、ひっきりなしに人が出たり入ったり!
それもそのはず、こちらは登別温泉の温泉供給会社の登別温泉株式会社が運営されていまして、惜しみなく温泉をかけ流しで提供されていて料金は銭湯価格!
そりゃ、人気なわけです。
バスターミナルの少し上に位置し、まさかのビルの1階にあります!
知らなきゃ、ここが温泉とはきっと気付かないでしょう。
券売機で入浴券を購入して階段で下へ。
下?
そうなんです、温泉は地下にあります!
で、浴室はと言うとこんな感じ。
逆から見ると
こんな感じ。
ここがそんなにええんですか?
はいっ!
こちら、硫黄泉なのですが、微妙に異なる2種の源泉をそれぞれ使用されています。
右と左で微妙に色が違いますよね。
右は青白く、左はグレーっぽいです。
そして湯は、湯船の淵一面からザバザバと溢れています。
これぞ源泉かけ流し!
なんと、こちらの湯全て加水なし、加温なし、循環なし、消毒なし!
そのまんま温泉100%かけ流しです。
ブラボー!
では、左の湯より
こちらは「1号乙泉」と呼ばれる源泉。
泉質は「酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉」。
実はこの湯は先述の「ホテルゆもと登別」「第一滝本館」でも使われている登別温泉を代表する源泉です。
硫黄の香りも申し分なし!最高でした。
そしてお隣の青白い「目の湯」と呼ばれるお湯へ。
泉質は「酸性・含硫黄-ナトリウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉」。
こちらの「目の湯」は、登別温泉ではここだけで味わえるお湯とのこと。
そう思うとひとしお愛おしく感じてしまいます。
「1号乙泉」も「目の湯」も濃厚な酸性の硫黄泉なので、大きな違いはないのですが、何度も入り比べていると私は「目の湯」派になりました。
「さぎり湯」は本当に大人気施設なので、行かれる際は混み合う16時~20時を避けられたほうがゆっくり温泉を楽しめるように思います。
登別温泉に限らず濃厚な硫黄泉に入った後は、体から硫黄の匂いがプンプン漂いますので、湯上り後にすぐにバスや飛行機に乗られる方は「匂い」に気をつけましょう!
ということで、ぐっちおすすめ登別温泉3選、如何でしたでしょうか?
全国的に有名な温泉地として申し分のない温泉だったように思います。
登別温泉に来たら、まずは濃厚硫黄泉に浸かり、そして硫黄泉以外の温泉も味わって頂きたいですね。
登別温泉、万歳!
書いた人:ぐっち
1971年生まれ大阪人の温泉ソムリエ。ある時温泉に目覚め、その後生きている温泉に拘り、書いたり、しゃべったりして活動中。 生まれたまんまのお湯に入ってみ。きっとわかるから。
ウエブサイト「源泉かけ流しどっとねっと」