「こんなキャンプなら毎冬やりたい」
そう思えるキャンプと出会ってしまった。
それは、北海道・帯広での出来事。
東京から約2時間のフライトを経て帯広空港へ到着。そこから車で30分いったところにある『スノーピーク十勝ポロシリキャンプフィールド』へやってきた。アウトドア用品を手がけるスノーピークの北海道初のキャンプフィールドで、北海道内では唯一の直営店も併設している。
キャンプが好きな方であれば、誰もが知っているスノーピーク。アイテムがどれも、いちいちカッコイイ。
過去に一度、夏に新潟にあるスノーピークのキャンプフィールドに訪れたことがある。そのときはキャンプ好きの友だちに連れられて行ったのだが、「キャンプって、こんなにお洒落なのか」と驚いた。
小さい頃に親に連れられて行ったキャンプの記憶とは大違い。そんなにアウトドア好きではなかったし、積極的にキャンプに行きたいと思うタイプではなかったけれども、レンタルで借りたスノーピークのアイテムがお洒落だからというのもあり、優雅な気持ちになれるキャンプの楽しさを知った。
だけど、キャンプは夏にやるものだと思っていた。
今回、冬のキャンプをすることになってまず思ったことは「絶対に寒いだろ」ということ。しかし、アテンドいただいた方からは、「寝るところはすごい暖かいから大丈夫」と言う。
半信半疑のまま、寝床へ向かう。
ほう、そう来たか。
話を聞くと、これは建築家・隈研吾 氏がデザインした『住箱(じゅうばこ)』というモバイルハウスらしく、電源完備・ストーブ付き・電気毛布付き。
電気をつけると、また間接照明具合がお洒落。これは良い。しかも、言ってしまえば隈研吾さんの "作品" に寝泊まりできるわけで、これはなかなか貴重な体験だ。
となると、続いての疑問は「キャンプ飯」である。この寒い雪の中、ドアから出たくないのにアウトドアで料理をするとか、人類のチャレンジ精神は底知れない。
そんなことを考えているうちに、テント設営がスタート。
あれよあれよという間に、キャンプ飯会場ができあがった。どうやら、夜はここでキムチ鍋をみんなで食べるらしい。いまのところ、寒さへの恐怖心は拭えていないが、夕食の時間まで考えないことにしてみる。
北海道の冬は、夜の訪れが早い。 気づけば陽は落ちていて、焚き火がいい感じにパチパチッと音を立てていた。
この辺りは車が通らないため、とても静かなキャンプフィールド。この日は風もなく、聞こえるのは焚き火の音だけ。
焚き火だけでもちろん落ち着くのだけれども、雪景色に囲まれて眺める焚き火は格別だった。暖かみが夏のそれとは全然違う。
「あっ、雪に囲まれたキャンプいいかも」と思い始めた瞬間。
いよいよ、キャンプ飯の時間がやってきた。この日は、スノーピークのスタッフの皆さん、そして地元で農家を営む森田さんという方と一緒にキムチ鍋をいただくことに。
設営時は想像もつかなかったが、このテントの中はすごく暖かい。というか、キャンプ用語ではテントではなく、 "シェルター" と言うんですね。風や寒さをしのげる上、キムチ鍋の蒸気で、まったく寒さを気にならない。まさか外が氷点下だとは思えなくらいだ。
鍋の準備も一段落したところで、乾杯。
ここで、農家の森田さんがいろいろな料理を持ってきてくださったので、ご紹介。
まず、山わさびを漬けた焼酎。これが、めちゃくちゃ美味しかった。
山わさびの風味と、まろやかな口当たり。家で飲むのもいいけど、キャンプのときにこういうのを飲むのがまた最高。ストレートでも美味しかったし、お湯割りにしてより風味を楽しむのもまた乙だな。
1〜2日漬ければ十分らしく、漬けすぎると山わさびのツンとした刺激が強まるのだとか。
続いて、百合根(ゆりね)。その名の通り、ユリの根だ。
開墾によって北海道でも栽培されるようになったらしく、いまとなっては北海道が主な生産地となっている。初めて食べるかも。
ホクホクした食感で、これまた美味しい。森田さんが持ってきてくださったトリュフ塩を贅沢にふりかけていただいた。
さらには、ニンニクと百合根を詰めたローストチキン。見た目も完璧。そしてニンニク最強説は揺るぎのない事実。絶対に美味い。こうやって、みんなでテーブルを囲って、アルミホイルに巻かれた食事を楽しむって、なんか楽しいな。
キムチ鍋もいただく。温まる。
鍋って、心も体もポカポカと温まる素晴らしい料理だと思う。美味すぎる。幸せ。毎晩、こういう食卓を楽しみたいと思ってしまう。
十勝ワインを代表する『トカップ』を、生姜と砂糖で味付けしたホットワインにしていただく。生姜の風味がフワッと口の中に広がる。ワインとすごく合う。これまたポカポカと体が温まるなぁ。
体がポカポカになったので、シェルターの外へ。焚き火を利用して、つぶ貝を醤油で味つけして焼き始める。
ちなみに、このときの星空はこんな感じ。
少し曇り気味だったけど、オリオン座が見えた。
楽しい宴も終盤。ランタンで照らされたみんなの顔。締めの珈琲。
あぁ、冬キャンプって面白い。夏キャンプよりも面白いかもしれない。わざわざ雪の中でキャンプなんて……と思っていたが、スキー場で食べるカレーが美味しかったり、ワカサギ釣りをしながら氷上で食べるカップラーメンが美味しいのと同じように、雪に囲まれて眺める焚き火、食す鍋、飲むお酒は格別だ。
夏のキャンプでは絶対味わえない愉しみ方が、冬キャンプにはあるんだなと初めて気づけた。
食事の後は、試験運用中だというサウナへ。サウナ大国・フィランドのスタイルで、雪に飛び込んで体を冷やすことも可能。
そんなこんなで、施設にあるシャワーを浴びて就寝。上述の通り、住箱内は暖房器具があるため、気持ちよく眠りについた。
そして朝。住箱内のストーブの上でコーヒーを温める。
なんて優雅なんだろう。雪景色を目の前に、ホカホカのコーヒー。住箱のウッディな感じ。「やっぱり、冬キャンプは最高だな」と確信に変わった瞬間。これは毎冬訪れたい。というか、いますぐにもう一度行きたい。
これまで十勝・帯広にわざわざ訪れる理由なんてなかったけれども、この経験をしてから、恐らく毎年のレベルで自分は帯広に訪れるだろうと思ってしまうくらい、心が躍る冬キャンプだった。
そして朝食は、帯広の人気パン屋さん『ますや』の食パンでつくったホットサンドをいただく。
ここ、スノーピーク十勝ポロシリキャンプフィールドではキャンプ用品を一式レンタルできるので、手ぶらでキャンプが可能。道中のスーパーなどで十勝の食材を買い込めば、五感で十勝の魅力を堪能できるだろう。
そして、より優雅に十勝を堪能したい方は、ここスノーピーク十勝ポロシリキャンプフィールドでの住箱を含む、『デスティネーショングランピング ウィンターシーズン』という体験プログラムに参加してみても良いかもしれない。
本プラグラムは、冬の十勝を2泊3日で楽しむ体験型プログラムとなっており、1泊目はスノーピーク十勝ポロシリキャンプフィールドで、なんとフルコース料理を堪能することができる、まさにスノーグランピング。
さらに "幻の橋" と言われるタウシュベツ橋梁の散策ツアーや、一面に広がる銀世界を上空から楽しめる熱気球フライトなど、冬のいましか体験できないアクティビティも盛りだくさん。
2019年は3月6日(水)出発が最終となるため、この冬をもっと楽しみたいという方はぜひチェックしてみてほしい。
おわりに
2日目はフライトの時間まで少し時間があったので、廃駅となった今なお、「恋人の聖地」として知られる幸福駅や、いまは交通記念館として整備された愛国駅を訪れたり、ガーデンスパ十勝川温泉で、足湯を満喫して帰路についた。
今回の冬キャンプを終始アテンドいただいた、帯広観光コンベンション協会の高田さん。本当にお世話になりました。
空港では、今回ドはまりした十勝産の山わさびを購入。焼酎に漬けて飲むのが楽しみだし、白飯にすった山わさびと醤油で食べるのも絶対美味しい。
あらためて今回の十勝・帯広の旅は最高でした。 帯広の皆さん、ありがとうございました。
読者の皆様もこの機会にぜひ、スノーグランピングを体験してみてください。それでは、また!
協力:北海道観光振興機構
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